日本を味わう、茶席プラン。

伝統と品格、格式と心づかい、美学の境地に迫る味覚。 これら全てが整った「おもてなし」を受けたことはありますでしょうか? 茶事とは、千利休に始まり400年以上の古い歴史を持つ、名実共に最高のもてなし文化。 ひとたび参加すれば、それは単なる「体験」「思い出」ではなく、一生ものの【経験】になります。

日本の精神文化と言えば、武士道とおもてなし。 その「もてなし文化」は千利休が作りだした茶事、すなわち茶道の原型によってもっとも磨かれました。 茶道は江戸時代には多くの大名や豪商達、明治以降には財閥のトップや政治家達など、それぞれの時代の富と権力の絶頂にいる人々によって成長し、現代日本人の「もてなし文化」を支える精神と礼儀作法の根本となりました。

そんなもてなし文化の起源であり、究極でもあるお茶会をもっとも簡単に楽しむことが出来るのが、弊社の茶会プランです。

お申し込みをいただいてから1~2週間ほどかけて入念な準備をし、当日のわずか数時間で一気にそれを昇華させるさまは、さながらオリンピックアスリートのような徹底ぶり。その徹底した準備があるからこそ、お客様にとって本当の意味で豊かな時間を過ごせていただけるものと確信しております。

茶人が催す茶席の流れ

席入り、菓子、濃茶作法講座

席入りしていただいて間もなく、主菓子をご用意申し上げます。 主菓子は濃茶を召し上がっていただく前にお腹の具合を軽く調整していただくためのものですが、季節感を大切にした生菓子は口の中いっぱいに、さっぱりとした甘さが広がり、次に用意されている濃茶の楽しみをより一層引き立ててくれます。

菓子は都度、菓子職人と入念な打ち合わせをした上でその時期に合うものを作らせ、さらにそのデザインや味わいを厳しくチェックした上で本番用のお菓子を用意させます。お仕着せで店売りされているような程度のものではなく、常にお客様のために新作を考え続けること。これもまた、プロフェッショナルならではの仕事だと言えます。

美味しいお菓子を召し上がっていただきながら、濃茶の作法や楽しみ方などについて簡単にご説明申し上げます。

濃茶点前

あなたは濃茶を味わったことがあるでしょうか。濃茶とは、いわゆる「抹茶」と呼ばれる薄茶とは全く異なり、文字通り色も味わいも極めて濃い、そして深い抹茶です。 日本の茶道はこの「濃茶」をメインに構成されており、この濃茶を味わわない限り、抹茶を飲んだ味わったうちには入りません。

薄茶は「たてる」と申しますが、濃茶は「練る」と申します。 練ると言う表現を用いるほど濃い抹茶なのですが、これを「美味しく練る」のには相当な修練が必要となります。

茶の道に修道して、少なくとも30年は修行を積まなくては、濃茶の旨味を引き出す事はまず不可能。 しかもただ「お茶を習っていれば良い」ではなく、本当に良い師範について修行を積み、みずからも師範代となって人を指導し、さらには命を削る覚悟で茶に向き合うことができなくては、本当の茶の味を引き出すことなど出来ようはずもありません。

濃茶を練る上において特に大切なのは、点前を進めながらも禅の精神にもとづく「無」の境地に至ること。茶碗に抹茶と湯を入れ、茶筅を手にした瞬間に完全なる無へと自らを導くことが出来なくては、濃茶は決してその本来の姿を見せることはありません。そもそも茶道とは単なるお点前のレッスンと言うだけでなく、茶禅の思想にもとづき自らの精神修養を極めていくものなのです。

そこまで突き詰められた技術と無の境地に入ることで練り上げられる濃茶をひとたび口に運べば、思わず言葉を失ってしまうほど甘くて香り高く、そして豊かな味わいが、口の中いっぱいに広がります。430年前、千利休が構築した茶事の本来の目的は、この濃茶を味わうこと。

席中は薄暗く、障子や欄間より差し込む自然光のみで茶事が進んで参ります。 その厳粛な雰囲気があるからこそ口の中に含まれる濃茶の味を最大限に引き立てることができ、濃茶こそ真の抹茶であることを証明してくれます。

休憩、薄茶点前講座

軽く足を休めて頂き、お手洗いなどをお済ませ下さい。 その後、薄茶作法について簡単にご説明申し上げます。

薄茶点前

一般的に「お抹茶」と呼ばれる薄茶。 お抹茶と言えば「苦い」と言うのが一般論ですが、実は抹茶は「甘い」ものなのです。 濃茶の後にいただく薄茶は、濃茶で深く味わった喉を清涼感で一杯にしつつ、それでいて香り高く、美味しく喉を潤します。

濃い茶席の厳粛な空気感から一転、障子や窓を開け放つことで一気に開放感あふれる茶席へときりかわり、点前作法をもっとも楽しむことが出来るのが薄茶点前。薄茶席では写真撮影などもしていただけ、自由な空気感を味わうことも出来ます。

所作作法の見どころは、なんと言っても亭主の自然な動き。亭主は自らを「あらゆる茶道具の中で最も低い格にある」と考えます。そのため、茶道具を扱う手さばきは、常に可能な限り茶道具に無駄な動きをさせず、その分みずからが体の芯を使って動きます。

他の茶人とは異なり、茶筅で茶を点てる時も、茶筅が茶碗の底に当たりすぎないよう細心の注意を払うことで無駄な音を立てることはいたしませんし、釜や茶碗の中に湯を入れるときの水音にまで注意を払うものです。茶を点てている最中も、左手で茶碗を支えずとも茶碗が決して揺れない・ずれない事が、本当のプロフェッショナルの証だと言えます。

そして亭主が「あらゆる茶道具の中で最上位に位置するもの」と考える抹茶そのものを茶碗の中に掬い入れる時も、「茶を入れる」ではなく「茶を置く」ことで、茶に余計なストレスがかからぬように心がけております。

それらと同時に、軽快なトークでお客様に楽しい時間を過ごしていただく。こうした「ただお点前が上手」「ただお茶が美味しい」だけでなく、茶室という時空を超えた究極のもてなし空間において、総合的に極めて高次元なもてなしを展開することこそ、弊社の茶事であり、プロ茶人としての矜持でもございます。

茶事を締めくくるのに最も相応しい薄茶こそ、茶の究極の姿であり、茶の奥義です。 この薄茶点前で茶事は終了となりますが、極めて厳粛だった濃茶席に対して、薄茶席は明るくフランクな雰囲気で楽しんでいただくことが出来ます。

お見送り

薄茶点前が済めば、これにて茶会の流れは全て終了したことになります。 お客様は順に茶室から退出して頂き、亭主はお客様を茶道口にてお見送り申し上げます。

およそ2時間弱のお茶席で、茶を味わう楽しみだけでなく、素晴らしい体験と思い出を作って下さい。


予算

1~5名様  2時間程度  20万円~(税別)
6~10名様  2時間半程度  30万円~(税別、お選びいただく茶室によりお引き受け致しかねます)

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